生き物がかり
タカアシガニを釣る・飼う・食べる・組み立てる 生きものがかりNO.21
またまた、ご無沙汰してしまいました。特に忙しかったというのでもなく、日々の生活の中に埋もれてしまっていました。もちろん、いろいろあったのですが、今日は天気も良く気持ちもよく、ちょっと書きたいなあと思ったので、久々に、また徒然に。
この春徳島に行った時の続きですが神戸に帰る最終日、時間もあまりなくて、でも名残惜しいということで前からちょっと気になっていた海辺の釣り堀に寄ってみることにしました。
入場料500円、アジでも釣って、タイでも釣れれば僥倖。少し遊んで帰ろうと思って入ったのですが、中は結構広い。タイにヒラメにカンパチにブリ。魚種は豊富で、しかも数も多い。
マンボウもいました。
その中で底にうごめく赤い大きな物体が。 ナニ?あれは。
デカーッ、カ・カ・カニか…?・・・デカ過ぎる。
それがタカアシガニでした。
周りのブリがメダカに見える(これは言い過ぎ)。あれは釣ってもいいのかな。いや釣れるのかな。ウ~ン、ヨシ、釣ってみよう。
格闘すること30分、ついに食いついた。あのグジグジする口にえさのエビが吸い込まれたのだ。グッと引いて針を食い込ませる。そしてソロソロと引き上げる。この竿のしなり。
お、お、重い。この大きさ!
やっと顔をのぞかせ、こんにちは(笑)。
見事に、ふにゃけた、だらしない、うれしそうな顔だな。久しぶりに見た自分のこんな顔。
手に持って写真に写ってみたが、なるほど巨大。
この後も味をしめて、もう1匹釣った。2匹も釣った人は初めてといわれた。
生かして持って帰るという人も初めてと。そう、生徒たちに見せてやりたいと思ったのだ。
陸上は苦手とばかりに、カッタンコットンと不器用に逃げまわる。
発泡スチロールの箱に入れ、ブクブクを買って、徳島から急いで神戸に帰る。
そして水槽へ・・・。デ、デ、デ、デカすぎる。
念のため2匹とも持ち帰ったが、2匹とも元気。予想外だな、これは。
ダメだ。90センチの水槽では狭すぎる。なんだくわぁ、よく分からない。
とりあえず、海水を汲んできてでっかいポリバケツで飼ってみんなに見てもらおう。
ついでに捕ったクラゲはかわいいけど触らないでね。
これからの1週間、みんなに触られまくって、1匹は昇天し、1匹はカニ足の自切(トカゲのしっぽ切りと同じ)を繰り返し足4本になり、教室前の2メートルの水槽に移転。
ただ海水を深江浜まで汲みに行くのが大変。ポリタンク2杯40Lずつで何回往復しましたか。途中で友人から電話がかかってきて、今海水汲んでるのでと状況を説明をしても理解してもらえない。
以後10日間ほどの命でしたが、みんなに触られたり観察されたりの有意義?な余生を送りました。
で、これからは先生のお楽しみ。
お先に昇天した1匹と、1本ずつ外れていって冷凍しておいた足を大鍋に入れ蒸していきました。
もちろんいただきます、なのです。





以前にブログにも書いた自宅栽培の無農薬グリーンレモンと酢と醤油をかけて、
いただきま~す。
まずレモンの香りが口の中に広がる。
つづいてやってくるあのカニの味と酢の酸味がぶつかり、醤油と絡み合い、
そこにイセエビのような歯ごたえとそのボリュームが口の中で暴れだす。
それから遅れて向こうのほうから「おいしい」が猛然と走ってきて、
強烈なタックルに見舞われ脳震盪を起こし美味の固まりに包まれ、ウマイ~ッと叫ぶ。
と、こんな感じ分かります?
焼きガニにしたものも、カニみそをたっぷりつけたものも、何本もいただきました。
堪能しました。ふ~っ、腹いっぱい。
ごちそうさまでした!
ということで、これからはタカアシガニを組み立てていきます。復元できるか、楽しみ。
じゃあ、また。
チヌの口・スズキの頭 生き物がかりNO.20
先日高校時代の先輩から、釣り上げたチヌとスズキとメバル・アブラメをいただいたので、チヌ・メバルの大きいサイズはお造りにスズキは洗いとムニエルに他は煮つけにしておいしくいただきました。
チヌはおばあちゃんがきれいに3枚におろしてくれました。おばあちゃんは体力がなく、1匹で疲れてしまったので、私はスズキに挑戦しましたが哀れな背骨が見えています。長い身はなかなか難しいです。魚はまだまだですなあ。
お造りとムニエルの写真はすぐに食べたので撮り忘れてしまいました。
メバルの煮つけ、美味しそうでしょう。
食べた後、満腹のおなかをさすりながらあら煮にした骨をじっと見ていると、チヌの口がメチャメチャ鋭いことに気づきました。自分がエビになって海の中でこの口に遭遇したら怖いやろうなあ。どうする?必死に逃げるやろう。エビでは限界があるなあ。そのときスズキの頭が龍に見えました。これに乗って逃げよう。海から空へ。
ほろ酔いの頭でこんな妄想に駆られて、口と頭を取り出して翌日の休みに作りました。
真剣な表情ですねえ。奥さんに撮られていました。
出来上がりがこれ。漂白しようかと思っていましたが、この方が自然でいいかな。
すごく鋭いでしょう。
スズキの龍はこちら。
逃げるエビと龍、追いかけるチヌのくち~。
どんぐりやってると、イメージ力が豊かになるなあ(笑)。
で、こんな感じ!
じゃあ、また。
モリアオガエルとザリガニ採集 生き物がかりNO.19
数年前、近くの山を散策中に聞いた鳴き声。モリアオガエルの声。
カエル好きのわたしは、当時モリアオガエルを求めて遠く西脇の森にまで足を延ばしていました。
それがなんと自宅の近くにいたことは、鮮烈な驚きでした。
森北の森、奥深く梅雨のこの時期だけに現れる大きな水たまりに、モリアオガエルがひっそりと産卵していました。
(これはネットで見つけた写真で、今回のものではありません。)
各地でレッドリストに指定され、天然記念物にも指定されている地が多いのですが、兵庫県では絶滅危惧Ⅱ類とされています。しかし環境省のレッドリストには指定されておらず、個体数は安定しているとされています。
だが捕獲しても飼い続けるのはとても難しいです。ご存じのように、カエルは本来生きた昆虫類やクモ類しか捕食しないからです。これを与え続けるのが大変。3日も空くとみるみるやせてきます。
今までも捕まえては、夏の間必死にエサ取りに励み、秋になるとさすがに疲れて自然に帰していました。今回もその予定で、子供たちに見てもらったら返そうと思っていました。
ここへは右手奥のがけを降りてきました。
人間が手を使わずに歩ける角度の限界は40度と言われているそうですが、ここは50度はありそうです。ほとんど滑って降りる感じです。棘のあるイバラのような木もありますし、もちろん道はないし、まるで猟場の道を行くようです。
今回は森北教室の小6のK太郎君と一緒です。彼は小1からTOCに来てくれています。
「先生。一緒に連れてって!」という長年のリクエストに初めて答えさせてもらいました。
ただ、彼は本人いわく高所恐怖症ということで、この窪地に降りてくるまでが騒々しかったのですが。よく頑張りました。
誰でも怖いよね、この急角度は。大変でした。
そのうえ下に降りても、この水たまりはイノシシのヌタ場になっており、独りで彼らに遭遇すると危ないです。
実際、危険なので小学生のよい子は、子供同士ではこないでね。
5メ-トル伸びる釣り用のタモ網まで準備してきましたが、今日は山の中でも暑く、残念ながらモリアオガエルの成体は見つけられませんでした。
産卵は深夜の出来事なので、日中は木の葉の陰などで眠っています。
ただ雨上がりなどでは樹上でも低く下りてくることがありますが、今日はダメでした。
それでも特徴的な卵塊は古いものから新しいものまであったので、産卵は続いているようです。
卵塊は持ち帰りません。以前は持ち帰って孵化させました。オタマジャクシの間は植物食で楽なのですが、手足が生えて幼体になってからは、コバエのような小さいエサしか食べないので、大人のカエルより大変です。これも採集地にもどしました。
結局、1時間以上探しましたが、ザンネンということで、またいつの日か!
モリアオガエルが採れなかったときは、ザリガニ採りでもしようと約束していたので、一転尼崎のドブ川へ!
だが、かつてウジャウジャ採れたここも、全然いなくなっていました。どういうこと?
子供たちが楽しく採っている場所に大人のわたしがバシャバシャ入って行くのは気が引けるし、少し恥ずかしいので(ホント)、人がいなくてたくさん採れるところを発見しては採集しているのですが、どうもこの頃、川魚もそうですが2・3年でいなくなります。誰かが採り尽くしているのかなあ。いろいろ原因はあるのだろうけど・・・
大きなものは2匹、小ぶりなものが2匹、稚ザリが5匹。稚ザリはドンコのえさに。ザリガニはこれだけ。
それにメダカの稚魚が3匹。
ウシガエルのオタマジャクシも採れたので、これはスッポンのエサに。デッカイね。
ウシガエルは特定外来生物に指定されているため、みなさん家で飼うことはできませんよ。
日曜の昼から夕方まで午後いっぱい、しっかり遊びました。
最後に、ぶっかけうどんを食べに行って、解散でした。
K太郎君の感想
「めっちゃ冒険やった。これで楽しくない言う人がおったら、おかしいやろ!」
なんと、二重否定的婉曲的表現での強調ができるようになったんやあ。というのは置いといて。K太郎君おつかれ~。
先生も楽しかったよ~。
じゃあ、また。
イシガメの甲羅標本作り 生きものがかり NO.18
一昨年、アライグマに襲われて息絶えたイシガメを埋めた。その庭を掃除していたら白骨化した甲羅が見えた。10年ほど前に、やはり病死したイシガメを埋めて白骨化した甲羅を標本にして子供たちに見せると好評だったので、今回も比較するためにも作ってみることにした。
掘り出して水洗いした後の背側の甲羅(左)と腹側の甲羅と辺縁部(右)
ほぼ完全にバラバラになっていた。はたして復元できるのか。何回も土をふるいにかけて取り出したのだが。
水洗いの後は、漂白をする。漂白剤を付けて歯ブラシでゴシゴシと磨く。
これが胸あたりの1番大きな骨片。
骨と骨は無数の凹凸が組み合わさって、ただ1か所の3次元的組み合わせの位置でのみ、噛み合わさる。
自然の造形の不思議。どんな小さな骨同士でも。
例えばこの2つ。
無数の針のような凹凸が両方の骨の面にある。
それを噛みあう位置に合わせていく。
上下左右奥へ手前へ、するとただ1か所だけピタッと噛みあう位置がある。
空間ジグソーパズル。場所によっては、噛み合った後は、つなぎ目となる筋も見えない。
で、こういうふうに分かるところからパーツを作り、徐々に組み立てていく。
コネコネ、クリクリ、ピタッ!ここか!というところでボンドを貼って、次。
なんか下の写真、わたしの頭が実際より寂しそうに見えるなあ。
えっ!こんなもん。そうなん。
大変細かい作業だが、本人は楽しそうにやってます。
いよいよ、腹側、背側ができて、脊椎をはめていく。亀も当然脊椎動物だ。
背の甲羅1つ足りないね。
ここだけど、実はアライグマにやられたところ。
ここはどうしてだろう、穴が開いていた。断片があったのではめてみるとピッタリ。
アライグマにやられた歯形。
いたるところにある。
ここにも。
腹側にもある。右は以前に組み立てたもの。
滑らかですね。腹と背のつなぎ目もわからない。
今回は、ここは密着させずに残そう。
実際はもっと白いのだが、どうしてこんなに黄色く写っているのかな。初めの方の写真の色合いが本物の色。
一応、完成としておこう。手前の縁も噛まれて欠けてるなあ。
来週、子供たちに見てもらおう。
じゃあ、また。
ワラビ・ゼンマイ・タケノコ採りとイモリ採集 NO.17 生きものがかり
この冬の猟は収穫ゼロ。まだまだ未熟だなあ。厳しい冬の山野を、鼻水たらしながら徘徊するも何も出会わず。ガックリ失意の冬。でも昨日の上天気に誘われて、その時以来、久しぶりに野山を散策した。
春だなあ。そこここで草木の芽ぶきの萌黄色が美しい。上ばっかり眺めてつんのめってつまづきそうになり、ふと足元に目をやると、ワラビ。向こうにはゼンマイ。突然、狩猟本能ならぬ採集本能 (そんなんあるの?) がこみ上げてきた。 江戸のかたきを長崎で討つ。 ウリャー!
ムゥオーと採りまくる。ワラビ、ワラビ、ゼンマイ。ワラビワラビゼンマイ。 こ、こ、腰が・・・。
ふと奥の小さな竹林に目をやると、タケノコがこっちを見ている。「ねえぇ、採って。」ここは人様の所有地ではないな。こんな川沿いのがけっぷち。少々危険で、道具もないが、採れたての刺身はうまいだろうなあ。
そこで汗まみれの1時間。あの歯ごたえ、舌触り、味、香りを思い浮かべて、ひたすら掘る。掘る。掘る。
で、この成果。どうよお!
すごいでしょう。帰って調理して、いただきます。
川の横で休憩していたら、イモリが見えたので、これも採集してきた。
イモリ7匹に、ヤゴ4匹。とっくに目覚めていた様子だった。みんなにも見せてあげよう。
剣太郎のお父さんのケビンさんにプレゼントしてもらったハンティング・キャップ。お礼が遅くなりましたが、ありがとうございました。塾長のお気に入りです。
雑誌ではアメリカのハンターはみんな被っていた。日本の猟では、猟友会指定のキャップとベスト着用が義務付けられているが、山野のお散歩ではこれをいつも着用している。
それでは、決め顔を一つ。
笑うなよなあ。
折り持てる蕨しほれて暮遅し 与謝 蕪村
じゃあ、また。
ナイルテラピアが産卵!孵化した。いきものがかりNO.16
2年前の夏、屋久島旅行での高速フェリー寄港地である指宿市の、潟ン川(ガタンガワ)河口でも釣りをした。
温泉水の流れるこの川では、アフリカ産の帰化熱帯魚ナイルテラピアが繁殖している。
もともとは食料用として移入されたもので、鯛の代用としてチカダイ・イズミダイという名称でスーパーなどで売られていた。その後本物の鯛の養殖自体が広がり、廃れてしまった。
20数年前この鹿児島県の指宿市にやってきて、例によって息子2人と河口で魚を採っていた.
そこへ満潮の潮に乗りザワザワザワッ~と数百匹いや数千匹ものこのナイルテラピアが川を上がってきて、水に入っていた足に当たるわ当たるわ、テラピアに囲まれて鳥肌級の感動をした(誰に言っても信用してもらえなかったのだが。本当にすごかった。本当なんですう~!)。
あの感動をもう一度ということで、飛行機までの無い時間を使って探しに探したのだが、以前と様変わりした川にはなかなか見当たらず、やっとのことで見つけたポイントで数センチのテラピアをなんとか釣りあげ、数匹持ち帰った。空港で持ち込みの許可をもらうのが大変だったが・・・。
1年半を経て、それが産卵、そして孵化したのである。
オスの婚姻色は美しい。マウスブリーダーといってメスは口の中で抱卵し、孵化してからも口の中で育てる。シクリッド科にはよくあるタイプである。
オスを別水槽に分けてから、やっと安心したのか、口から仔を出した。
これでやっとメス親もエサを食べられる。
まだ親が小さいので産卵数も少なく、孵ったのは数十匹。それでも元気に泳いでいる。
春になって水温が上がれば、外の水槽で飼って子どもたちにも見てもらおう。大きくなると本当に鯛のように美しい。
じゃあ、また。
爬虫類・両生類展にいってきた!「レプタイルズフィーバー2015・小さな恐竜たちの世界」 生きものがかりNO.15
大阪ATCホールであった「レプタイルズフィーバー2015・小さな恐竜たちの世界」に行ってきました。
1万点以上の生きものが集められた展示即売会で、さわって、見て、手にとって値段交渉もできるので、スゴイ熱気。来場者も多く、昨年は10000人を超える人が来たとか。
変わり者と言われがちな爬虫類・両生類マニアがこんなにいるとは、驚き!
そして、なんかウキウキ。
かなり広い会場に、展示されている爬虫類・両生類の種類も動物園より多いのでは。
展示即売、早い者勝ちなので、みんなの眼も真剣。
小さなものは、こんな感じで、うじゃうじゃと並べられている。
ほんとにすごい数。丁寧にみていると1日で見切れない。
塾長はうれしくてうれしくて、周りから押されながらも1つ1つ手にとって眺めているのです。
ケースから出して、手に取って見る。
これが欲しくな~る。
もうひとつ取って、さわって見る。
体に巻いてみる。イイじゃな~い。これも欲しくな~る。
カワイイ~と叫ぶ。 ますます欲しくな~~る。
ならない? あなたは変わってる!
とここに来ている人はすべて思う世界。
でも飼うのなら責任を持って飼ってあげましょう。変温動物は難しいよ。しっかりした設備も必要です。家族として世話をしてあげる気持ちが無いのなら、簡単に飼うのはやめておこう。命ある生きものです。
こんなのも
こんな元気なお姿も。
たくさんの人がウキウキ。
カメレオンもいっぱい。これほどたくさんの種類見たことない。
こんなきれいなお兄様に初めてお会いしました。光栄です。
となりますわな。えっ、ならない!
フクロウ、ミミズク、コノハズクも、いっぱい。(爬虫類チャウゾ!)
剥製じゃないよ。生きてるよ。
カピパラもいた。(全然、哺乳類ですが・・・)
ヤギもいた。
ペリカンもいた。
(おさわり広場、じゃなかった、ふれあいゾーンは何でもアリ?)
イモリ釣り。これはTOCでもできる。
ザリガニ釣りに。(これもTOCでできる。・・・ドンナ塾や。)
モモンガも。
楽しい1日でした。
結局、最後の5時まで。
そして、誘惑に耐えられず、塾長もとうとう買ってしまった。
クランウエルツノガエル。ブチャカワイイ。家族が増えた。
じゃあ、また。